極真空手に興味を持った方なら誰もが、極真の一時代を築いた空手家、KOアーティスト「成嶋竜」の名を聞いたことがあるのではないでしょうか?
今回は、そんな成嶋竜について、現役時代から極真会館を脱退した現在まで、詳しく解説していきます。
- 成嶋竜とはどんな空手家?
- 成嶋竜の実績について
- なぜ極真会館(松井派)を脱退したの?
こんな疑問にお答えします。
記事の信頼性
真二@筋肉ブロガー(@shinji_sonohata)
この記事を書いている僕は、極真空手歴22年。
15歳で極真会館に入門し、現在も日々稽古に励んでいます。
今回、紹介する成嶋竜氏は、僕自身が極真会館に入門した当初から、最も憧れている空手家の一人です。
軽量級という小さな体で、相手の選手を一撃で倒す姿は、多くの空手ファンを魅了しました。
そんな偉大な空手家である成嶋竜氏について、一人のファンである僕が解説していきます。
KOアーティスト!成嶋竜とはどんな空手家?
多くの空手ファンを魅了した選手である成嶋竜という人物は、いったいどんな空手家だったのでしょうか?
その組手スタイルやKOアーティストと呼ばれた理由、現役最後となった第7回世界大会での活躍について、深掘りしていきます。
1-1 成嶋竜の概要
成嶋竜は、東京都西多摩郡瑞穂町出身の空手家。
1968年9月5日生まれで、現在54歳(2023年6月現在)
日本空手道連盟 葉隠塾 塾長である、成嶋弘毅氏の長男として生まれ、幼少期から空手の英才教育を受けて育ったといわれています。
その後、国際空手道連盟 極真会館に入門。
強烈な突きと一撃必殺の左上段廻し蹴りをはじめ、上段膝蹴り、三日月蹴りなどの蹴り技を得意とし、極真空手の歴史に名を刻みました。
現役時代の体格は、
- 身長:168cm
- 体重:68kg

1-2 一撃必殺の左上段廻し蹴りでKOの山を築く
成嶋竜は、常に相手を一撃で倒すという戦闘美学を持っており、突き技・蹴り技ともに一撃必殺の威力を持つ選手として有名でした。
しかし、その中でも、もっとも空手ファンを魅了した技が「左上段廻し蹴り」。
成嶋竜の左上段廻し蹴りは、まさに一撃必殺!
接近戦で見えない角度から放たれ、一撃で相手を失神させてしまうほどの上段廻し蹴りだったのです。
そんな、一撃必殺の左上段廻し蹴りでKOの山を築いたことから「KOアーティスト」という異名がつきました。
1-3 第7回世界大会ベスト8入賞を最後に引退
かねてから痛めていた左膝のケガにより、一時期は試合から遠のいていましたが、第16回全日本ウエイト制大会(軽量級)に復帰戦として出場。
決勝戦では、復活を証明するような、左上段廻し蹴り一本勝ちで見事に優勝を勝ち取り、第7回世界大会出場への切符を手に入れました。
そして、成嶋竜の現役最後の大会となったのが、第7回世界空手道選手権大会です。
1回戦を左の三日月蹴りで一本勝ちし、続く2回戦も上段廻し蹴りを振ってからの左正拳突きで連続一本勝ち。
続く、4回戦・5回戦では、自分よりもはるかに大きな外国人選手に対して、真っ向勝負で打ち勝ち、まさに神がかったような強さで準々決勝まで勝ち進みました。
そして、準々決勝の相手は、当時K-1でも大活躍した外国人最強の空手家「フランシスコ・フィリォ」選手との一戦。


フランシスコ・フィリォは成嶋竜の上段回し蹴りを警戒しており、ブラジリアンキックや横蹴りで牽制し、懐に入られないようにする展開が続く。
一方の成嶋竜は、ひと回りもふた回りも身体の大きなフランシスコ・フィリォに対して、果敢に立ち向かい懐に入ろうとしましたが、最後まで入り込むことはできずに判定負けという結果でした。
とはいえ、無差別級の世界大会で軽量級選手としてベスト8入賞したという実績は、極真空手史上初の快挙だったのです。
第7回極真カラテ世界大会 準々決勝 第1試合「成嶋竜vsフランシスコ・フィリオ」(1999年11月7日)
成嶋 竜の主な実績
それでは、成嶋竜の現役時代の戦績を見てみましょう。
主な実績(現 極真松井派)
- 第11回オープントーナメント富山大会 優勝(全試合オール一本勝ち)
- 第11回全日本ウェイト制空手道選手権大会(軽量級)準優勝
- 第12回全日本ウェイト制空手道選手権大会(軽量級)優勝
- 第6回全世界空手道選手権大会 ベスト16
- 第13回全日本ウェイト制空手道選手権大会(中量級)優勝
- 第1回世界ウエイト制空手道選手権大会(軽量級)第3位
- 第16回全日本ウェイト制空手道選手権大会(軽量級)優勝
- 第7回全世界空手道選手権大会 8位入賞
全日本レベルの大会で、これだけの優勝を勝ち取るなんて、本当に素晴らしい戦績ですね。

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極真会館(松井派)を脱退した理由
選手引退後は、国内のみならず世界各国の道場で、後進の指導に励んでいましたが、2021年8月に父である成嶋弘毅が塾長をつとめる葉隠塾を継承するため、極真会館を脱退。
翌9月には「葉隠塾継代 空手道 成嶋道場」を開設しました。
現在は、自身のYouTubeチャンネルも開設し、技の解説や空手の素晴らしさを伝えるなどの発信活動を行っています。
まとめ
今回の記事では、KOの山を築いた偉大な空手家である、KOアーティスト成嶋竜について解説しました。
成嶋竜は極真黄金期に活躍した空手家で、軽量級という小さな身体で多くの一本勝ちを量産し、重量級選手にも臆することなく真正面から戦った勇敢な選手でした。
その活躍は、現在でも多くの空手家たちの憧れの存在であり、これからも極真空手の歴史に語り継がれることでしょう。

また次の記事でお会いしましょう!