
今回の記事は、『極真空手の入門者、または、これから極真空手を学んで黒帯を目指したい方』に向けて、「極真空手の黒帯(初段)を取得する方法」を解説する内容となっています。
- 極真空手の黒帯は何年で取れる?
- 昇段審査の難易度はどれくらい?
- 黒帯を取得するために必要なことは?
こんな疑問にお答えします。
記事の信頼性
この記事を書いている僕は、15歳で極真会館に入門し、空手歴は21年ほど。現在も日々、空手の稽古に励んでいます。
過去には、試合にも出場しており、最高成績は地方大会一般上級の部(サポーターなし)軽量級ベスト8入賞。
こんな僕が、解説していきます。
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1. 黒帯(初段)取得までには何年かかる?
極真空手をはじめたからには、誰でも『黒帯』に憧れますよね。では、いったい何年で黒帯(初段)を取得できるのでしょうか?
基本的には5〜7年で取得できるといわれているが…
『基本的には5〜7年で取得できる』といっても、そんなにすんなりとはいきません。 5〜7年というのは、しっかりと稽古に継続して参加できた場合での年数です。
特に社会人ともなれば、家庭の事情や仕事の都合も相まって、継続して稽古に参加することは難しいでしょう。
なので、実際はほとんどの道場生が黒帯の取得には至らず、取得できた方でも10年以上の修行を経て、ようやく取得できるといった感じです。
とはいえ、真面目に稽古に参加し、なおかつ試合で優勝したりなど、大きな結果を残した選手については、昇級審査会で2級昇級(飛び級)し、3年ほどで黒帯を取得してしまう猛者もいます。しかし、このような道場生は本当に稀ですね。
昇段審査を受けるまでに…
極真空手では昇段審査で取得できる黒帯までに、『白帯(無級)〜茶帯(1級)』までの帯を順番に取得しなければいけません。
これらの帯については、昇級審査で合格することで取得することができます。
また、昇級審査の基準については、各支部によって若干違いがあるのですが、簡単に解説していきましょう。
各色帯と審査までの修行期間
帯の色 | 段位・級位 | 次の審査までの修行期間 |
白帯 | 無級 | 3ヶ月以上 |
オレンジ帯 | 10級・9級 | 3ヶ月以上 |
青帯 | 8級・7級 | 6ヶ月以上 |
黃帯 | 6級・5級 | 6ヶ月以上 |
緑帯 | 4級・3級 | 8ヶ月以上 |
茶帯 | 2級 | 12ヶ月以上 |
茶帯 | 1級 | 1年6ヶ月以上 |
黒帯 | 初段 | 2年以上 |
稽古の出席率・参加回数について
各支部によって若干異なりますが、
- 次の昇級審査会までの稽古に80%以上参加
- 次の審査会までの稽古の参加回数(それぞれの色帯に応じた回数)
などが、定められています。
強化合宿・講習会への参加
上級者(緑帯)以上は次の昇級審査までの期間に、強化合宿及び講習会に参加することとなっています。
また、強化合宿については泊まり合宿、または日帰り合宿と各支部によってさまざまです。
指導員からの推薦を待つ
指導員からの推薦がなければ、昇級審査を受けることはできません。
なぜなら、稽古の参加率や参加回数が基準に達していても、次の級位に昇級するための実力が身についていないと指導員は推薦しないからです。
なので、日々の稽古にしっかりと打ち込み、指導員から「次回の昇級審査受けてみないか?」と声をかけていただけるまでは、地道に稽古に励みましょう。
昇級審査の開催回数
昇級審査の開催回数も各支部によってさまざまです。大体、2回〜4回開催する支部が多いようです。
昇級審査の審査内容
審査項目は主に以下の内容です。
- 基礎体力
- 身体の柔軟性
- 基本稽古
- 移動稽古
- 型審査(それぞれの級位に応じて)
- 組手審査
日々の稽古にしっかりと参加し、級位に応じた実力があれば、まず審査に落ちることはないでしょう。
昇級審査についての詳しい内容は、また次回の記事で解説します。
2. 昇段審査(初段取得)で最も難易度が高い審査項目は?
『昇段審査』となると、昇級審査とは違い一気にハードルがあがります。審査内容は以下の通りです。
- 筆記試験
- 基礎体力
- 身体の柔軟性
- 基本稽古
- 移動稽古
- 型審査
- 組手審査(10人組手)
基本的にすべての審査項目で、昇級審査より厳しくなっていることはもちろんですが、その中でも最も過酷なのが『10人組手』と呼ばれる連続組手です。
その名の通り、10人連続で組手を行い、勝ち抜かなければいけません。(正確には負けてはいけない。)
日頃の稽古でもスパーリングを行っているので、「10人抜きくらいできるのでは?」と思われがちですが、実際の10人組手はとても過酷です。
なぜなら、10人組手の場合は、自分は疲労していくのに毎回ピンピンした相手と戦わなければならないためです。
実際に、この10人組手では、『途中でケガをしてしまったり、体力の消耗で断念する』方も多く、昇段審査において最大の難関であることは間違いないでしょう。
また、昇段審査の連続組手については『初段なら10人組手』、『弐段なら20人組手』と段位によって10人ずつ増えていき、最大で『五段の50人組手』まであります。

50人と連続組手をするなど、もはや人間業ではありませんね。
昇段審査についての詳しい内容は、また次回の記事で解説します。
3. 極真空手の黒帯は、強いだけでは取得できない!?
極真空手の黒帯を取得するためには、組手が強いことは絶対条件ですが、それだけでは取得することはできません。
では、黒帯を取得するためには、どんなことが必要なのでしょうか?具体的には、
- 空手が上手い
- 組手が強い
- 指導力がある
- 社会性がある
これらの項目を押さえておくことで、黒帯を取得できる可能性が「グッと!」高まるでしょう。ひとつひとつ解説していきます。
空手が上手い
ここでの『空手が上手い』とは、主に身体の使い方や、技の精度、受け返しなどの基本的な技術のことです。
通常の稽古内容である『基本稽古・移動稽古・型・組手』など、トータルして高い水準にあることは、昇段審査を受ける上で必須となります。
日々の稽古を疎かにせず、基本的な稽古をしっかりとこなせるようにしておく必要があるでしょう。
組手が強い
上記で解説した通り、昇段審査では『連続組手』を完遂しなければいけません。
相手を倒すための攻撃力や、相手の攻撃に対する受け返し、適切な間合いのとり方や試合の進め方、連続組手を勝ち抜くためのスタミナなど、さまざまな技術が問われます。
つまり、こういった技術力を高めて、実際に組手が強くなっていなければ、連続組手を完遂することはできません。
指導力がある
晴れて昇段審査に合格し、黒帯を取得したらあなたは指導員となります。
指導員には、『道場生の育成』という大きな使命がありますよね。当然ですが、指導力がなければ指導員は務まりません。
なので、昇段審査前から自分自身の稽古もしつつ、後輩たちの指導も積極的に行っておきましょう。
そうすることで、いざ自分が黒帯を取得して指導する立場になったときに、『道場生の育成』という使命を全うすることができます。
社会性がある
黒帯を取得するためには、『社会性』も重要です。
なぜなら、道場生は『子供から定年を過ぎた方々』と、幅広い年齢層の方々に指導していかなくてはなりません。
また、少年部の場合は保護者が同伴している場合がほとんどです。そんな保護者の方々との付き合いもあるので、社会性は必要不可欠ですね。
つまり、『道場生のみならず保護者からも信頼される。』そんな人格者になる必要があるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、「極真空手の黒帯(初段)を取得する方法」について、以下の内容を解説しました。
- 黒帯取得までには、基本的には5〜7年かかるといわれているが、実際はもっと難しい。
- 昇段審査で最も過酷なのは、『10人組手(連続組手)』である。
- 黒帯を取得するためには、空手が強いこと以外にも『道徳や人間力』が養うことが必要不可欠である。
こんな内容でしたね。
極真空手の黒帯を取得するまでの道のりは、まさに『いばらの道』であり、中には一生懸命稽古に励んでも、残念ながら取得できない道場生もいます。
とはいえ、今回の記事の内容を実践することで、黒帯を取得できる可能性は飛躍的に高まることでしょう。

取得することが難しいからこそ、極真空手の黒帯の方々には『神秘的な強さ』を感じるのです。