極真空手最大の魅力といえば、フルコンタクトルールで行われる組手試合ですよね!
しかし、はじめて観戦する人や極真空手に入門したばかりの人だと、「ルールを知らずに何が起こっているのか分からない…」
このように感じている方も多いのではないでしょうか?
こんな疑問にお答えします
- フルコンタクトルールについて知りたい
- 極真空手の試合のルールについて詳しく知りたい
- 極真空手の試合のルールは派閥によって違うの?
本記事の執筆者
この記事を書いている僕は、極真空手歴・筋トレ歴ともに20年以上。
15歳で極真会館に入門し、現在も日々稽古に打ち込んでいる現役の空手家です。
僕自身もこれまで数多くの組手試合に出場してきましたが、たしかに知らない方にとっては何が起こっているのか分かりにくいかもしれません…
そこで今回の記事では、極真空手の組手試合のルールについて分かりやすく解説していきます!
フルコンタクトルールとは?
フルコンタクト空手という言葉を聞いたことがありますか?
極真空手の組手試合では、このフルコンタクト空手のルールに則って行われるんです。
そもそもフルコンタクトルールとは、直接打撃制で行われる試合形式のこと。
伝統派空手のような「寸止め」ではなく、実際に相手に打撃を与えることで激しい攻防が繰り広げられます。
簡潔に説明すると、フルコンタクトルールでは、手技による顔面攻撃や急所への攻撃を除く打撃技はすべて有効。
さらに一切の防具を着けず素手素足で闘うため、一撃ノックアウトとなるシーンも少なくありません。
そもそも直接打撃制の試合形式は、1969年に大山倍達総裁が寸止めルールへの異論を唱えたことがキッカケで極真会館ではじめて採用されました。
その後、多くの空手団体で採用されるようになり、現在ではフルコンタクトルールが直接打撃制の主流となっているんです。
極真空手の組手試合のルール
それではここからは、極真空手の組手試合のルールについて詳しく解説していきます。
試合をより深く楽しむために、しっかりと理解しておきましょう!
試合時間
まずは試合時間について。
- 本戦2分(準決勝戦から3分)
- 延長戦2分
- 再延長戦2分
極真空手の組手試合では、本戦2分間で行われます。
本戦で決着がつかない場合は、2分間の延長戦に突入。
延長戦でも決着がつかなければ、さらに2分間の再延長戦を闘うことになります。
勝敗の決め方
極真空手の組手試合は、以下の方法で勝敗が決まります。
優勢勝ち
5人の審判がどちらの選手が優勢だったかを判断し、赤白どちらかの旗を挙げます。
そこで、3本以上の旗が挙がった選手の勝利となり、3本未満だった場合は延長戦に突入。
判定では「ダメージ」や「有効打」「手数」により総合的に判断されます。
一本勝ち
以下のいずれかに該当する場合に一本勝ちとなります。
- 突きや蹴りが決まり、3秒以上ダウン※すぐに立ち上がった場合は、「技あり」
- 戦意を喪失した場合
- 2回の技あり※合わせ一本勝ち
体重判定
再延長戦でも決着がつかなかった場合に行われるのが体重判定。
無差別級なら10kg以上、ウエイト制なら3kg以上軽い方の選手の勝利となります。
試割判定
体重判定でも決着がつかない場合、事前に行った試割りでより多くの板を割った選手の勝利となります。
試割りの種目は「正拳」「手刀」「猿臂(肘)」「足刀」の4つ。
反則行為
極真空手の組手試合での反則行為は以下のとおりです。
反則行為
- 手技による顔面への攻撃(蹴り技は有効)
- 金的への攻撃
- 倒れた相手への攻撃
- 投げ技
- つかみ、押し
反則行為があった場合は、審判の判断により注意が与えられます。
2回の注意で減点1となり、さらに減点2となった場合は反則負け。
階級について
極真空手の大会では、大きく「無差別級」と「ウエイト制」に分けられます。
無差別級
無差別級では体重制限がなく、すべての体重の選手が参加できます。
体格差を乗り越えた激しい試合が見られるのが魅力のひとつ。
また、軽量級の選手がスピードや技術で対抗する場面も多くあるため、観客にとっても見ごたえ十分でしょう!
しかし、最近だと無差別級の大会は少なくなっている傾向にあるようです…
ウエイト制
ウエイト制の大会では、体重によって階級が分けられます。
- 軽量級:-70kg
- 中量級:-80kg
- 軽重量級:-90kg
- 重量級:+90kg
上記の階級は、全日本ウエイト制以上の大会での規定体重となります。
大会規模によっては3階級や2階級となるので、もし試合に出場する際は事前に確認しておいてください。
また、その場合は規定体重も変わるので注意が必要です。
派閥ごとに若干ルールが違う
極真空手の組手試合は、基本的にはどの大会においても大まかなルールは同じ。
しかし、派閥ごとに若干の違いがあるのも事実です…
例えば、極真会館松井派では2017年11月に大幅なルール改正が行われました。
主な変更点は以下のとおり。
- 片方の手による拳や掌底、肘での押しが有効になった(ただし両手や2回連続の場合は反則)
- 足払いによって倒れた相手に下段突きで技あり
- 浅く決まった上段蹴りでも残心をすることで技あり
これらの変更により、これまでよりも競技空手的な要素が強まった印象があります。
実際の試合でも、有効なダメージの有無にかかわらず、技ありや合わせ一本勝ちが増加しました。
さらにいえば、大会主催者によってもルールが異なる場合があるため、事前に入念なチェックが必要でしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回の記事では、極真空手の組手試合のルールについて分かりやすく解説しました。
極真空手の試合の魅力はなんといっても、フルコンタクトルールで行われる激しい攻防!
ルールについては基本的には共通しているものの、派閥や各大会によって若干の違いがあります。
もし大会に出場するなら、事前に入念にチェックしておきましょう。
ぜひこの記事を参考にして、極真空手の試合をより深く楽しんでください!
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