- 極真空手の試合のルールがわからない。
- 極真空手の試合の勝敗はどうやって決まるの?
- 極真空手の試合って、ただ殴り合っているだけなの?

今回は、「極真空手の試合のルールがわからない。」こんな読者の疑問にお答えします。
記事の信頼性
この記事を書いている僕は、15歳のときに極真会館に入門して、空手歴は20年ほど。
以前は、試合にも度々出場しており、最高成績は地方大会一般上級の部軽量級(サポーターなし)ベスト8入賞です。
こんな僕が、解説していきます。
1.極真空手の試合の基本的なルールとは?
1-1 まず、はじめに
空手には大きく分けると、『伝統派空手』と『フルコンタクト空手』に分かれます。
それぞれ大きく異なること多々ありますので、まずはそちらを解説していきます。
伝統派空手
伝統派空手はいわゆる『寸止め空手』のことです。
スパーリングや試合においては、基本は『寸止め』、もしくは『軽く当てる程度』のポイント制になります。
つまり、オリンピックの空手競技は『伝統派空手』に分類されるということですね。
主に有名な流派は
- 松濤館流
- 剛柔流
- 和道流
- 糸東流
などが、有名な流派です。
直接打撃制ではないので、ケガのリスクも少なく、護身術として子供や女性も入門しやすい空手ですね。
フルコンタクト空手
フルコンタクト空手は『直接打撃制の空手』のことです。
伝統派空手との大きな違いは、『直接打撃を当てる』というところです。
また、一般上級クラスの試合になると、『サポーターなど一切の防具(ファールカップは除く)』を付けずに組手を行うので、大変激しい試合になります。
もちろん試合では、相手を倒すために強烈な打撃を与えるので、『一撃ノックアウト』もたびたび見られます。
主に有名な流派は
- 極真会館
- 極真館
- 新極真会
- 正道会館
- 芦原会館
- 白蓮会館
などのが、有名な流派です。
主に極真会館(創始者:大山倍達)から分裂した流派が、『直接打撃制』の試合を行うことが多いですね。
以前は、喧嘩に強くなりたい男性の入門者がほとんどでしたが、最近では護身術を目的とする女性の入門者も増えている傾向が見られます。
1-2 極真空手のルール
『フルコンタクト空手』の試合のルールについては、流派によって若干の違いがあるのですが、ほぼ一緒と考えてよいでしょう。
なので、今回は『極真会館』のルールに則って解説します。
無差別級とウエイト制に分かれる
主に試合は、『無差別級』または『ウエイト制(体重別)』で行われます。
無差別級
- 軽量級から重量級まで合同でトーナメント形式で試合を行います。

60kg台の軽量級の選手と、100kg超えの重量級の選手が、試合を行うことも度々見られます。
ウエイト制(全日本ウエイト制大会、全世界ウエイト制大会の場合)
- 軽量級(70kg未満)
- 中量級(80kg未満)
- 軽重量重(90kg未満)
- 重量級(90kg以上)
ウエイト制(地方大会の場合 ※地方によって異なる場合があります)
- 軽量級(65kg未満)
- 軽量級(75kg未満)
- 重量級(75kg以上)

極真空手のウエイト制は、ボクシングなどに比べると、階級が少ないのが特徴です。
試合時間について
基本的な試合時間
- 本戦 2分間 ※準決勝からは3分間
- 延長 2分間(本戦で決着がつかない場合。)
- 再延長 2分間(延長線で決着がつかない場合。)
- 体重判定(再延長で決着がつかない場合。10kg以上の差がある場合は、軽い選手の勝利となる。)
- 試割り判定(体重判定で決着がつかない場合。事前に行われる試割りの枚数が多い方が勝利となる。)
基本的な試合の流れは、こんな感じです。
もちろん選手たちは、本戦で決着をつけるつもりで全力で戦うので、手数も多く激しい試合になります。
なので、本戦で決着がつかず、延長戦・再延長戦に突入すると、選手たちの体力はかなり消耗してしまいます。
有効技と反則技
有効技
- 金的を除く、顔面より下への突き技
- 金的を除く、蹴り技(蹴り技の場合、顔面への攻撃は有効)
反則技
- 顔面への突き技
- 金的への攻撃
- 掴み
- 押し
- 投げ技
- 倒れた相手への攻撃
このように、基本的に顔面への突き技以外の打撃は、すべて有効となっています。
シンプルなルールなんですね。


他の流派でも、有効技と反則技はほとんど同じです。
2.極真空手の勝敗の決め方を解説
まず極真空手の場合は「主審(1名)」、「副審(4名)」計5名の審判が判定します。
勝敗は、主に『優勢勝ち(審判の多数決)』、または『技あり』による優勢勝ちや『一本勝ち』により決まります。
優勢勝ち
主審、副審合わせて5名の審判の旗が、3本以上上がった選手の勝利となります。
なお、3本以上の旗が上がらなければ『引き分け』となり、延長戦へ突入します。
技あり
相手に有効なダメージを与えた場合(ひるんだ場合)、またはダメージにより倒れた場合(3秒以内に立ち上がることができた場合)に、『技あり』となります。
一本勝ち
相手に有効なダメージを与え戦意喪失した場合、またはダメージにより倒れた場合(3秒以上立ち上がれない場合)に、『一本勝ち』となります。
また、『技あり』を2つ取ると、『合わせ一本勝ち』となります。
蹴り技での顔面攻撃は有効なので、蹴り技での『一本勝ち』は強烈そのものですよ。
柔道とは違って、『有効』などはないんですね?


空手の場合、『有効』はありません。
ダメージの有無や、試合を優勢に進めた選手に旗が上がります。
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3.極真空手の技術や攻防がわかると面白い
未経験者が極真空手の試合を見ても、『接近戦でただ殴り合っているだけ』に見えてしまう方が多でしょう。
しかし、試合中は、日頃の稽古による高度な技術により、ハイレベルな攻防が繰り広げられています。
お互い我慢して殴り合っているんじゃないんですか?


決して、そのようなことはありませんよ(汗)
まず接近戦での攻防でも、致命打はほとんどありません。
つまり、双方の選手はしっかりと攻撃を捌き、致命打をもらわないようにしています。
もちろん、接近戦の攻防で一発でも致命打が入れば、『一撃ノックアウト』となることも度々あります。
また、選手によって組手スタイルは様々です。『間合い(距離のとり方)』、『フェイント』、『カウンター』や『ヒット・アンド・アウェイ』など、それぞれ得意な技術を駆使してスタイルを確立しています。
このように、極真空手の試合では、手技による顔面攻撃がないため、主に接近戦が分かりにくいのですが、ボクシングやキックボクシングなど他の格闘技と同じように、ハイレベルな攻防が繰り広げられているのです。

きっと格闘技が好きな方でしたら、楽しく見ることができると思いますよ!
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まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、「極真空手の試合のルールがわからない。」こんな読者に向けて、以下の内容を解説しました。
- 極真空手はフルコンタクト空手ルールで行われる。(手による顔面攻撃以外の打撃技はすべて有効である。)
- 5人の審判による優勢勝ち(3本以上の旗で勝利)または、『一本勝ち』や『合わせ一本勝ち(技あり2つ)』がある。
- 接近戦でもしっかりと攻撃を捌き、致命打はほとんどない。ハイレベルな攻防である。
こんな内容でしたね。
極真空手の試合は、ただの殴り合いではないということが、お分かりいただけたと思います。

極真空手に興味を持ってくださる方が、増えたら嬉しいです!
それでは!